顔の見える世界地図を描く

今日では手軽に世界を「知る」ことができるようになったが、

世界を「身近に感じる」ことが13か国の青年が集まる「世界青年の船」事業に参加することで実現した。



13カ国・約250人の参加青年
13カ国・約250人の参加青年

45日間も寝食を共にすると、ただ異文化を「知る」だけはうまくいかない。

 

本当にその国の人との生活にどっぷり浸かることで、

どれだけ相手を尊重することが大切なのかを実感した。 

 

2年前に、内閣府が主催する「世界青年の船」事業に参加した。

 

 

 

 

 

そもそも私が「世界青年の船」事業に参加しようと思った理由は、

世界の縮図と言っても過言ではないほどいろいろな国の人が一堂に会し、

インターネットや携帯電話もなく、人が人と向き合うことしかできない場所で、

未来を担う青年といかに多文化共生社会を築くことができるか、

それを試してみたかったのだ。



多様性がある分、小さなことから大きなことまで衝突が多々あった。 

 

特に印象的だったのが、プログラム後半で行われるサマリー・フォーラムの

企画・運営を務める委員会での出来事である。

 

委員会はノルウェー、ニュージーランドと日本参加青年から成る、

インターナショナルチームで構成されていた。サマリー・フォーラムは、

コース・ディスカッションという6つのテーマに分かれて行われるディスカッションの

成果発表や、コースを超えて意見交換することが目的であった。 



プロジェクトのミーティング中
プロジェクトのミーティング中

 

 

初めはどんな面白いフォーラムにするか胸を躍らせていたが、

委員会のメンバーで話合いをする以前の問題として、

話合いの進め方やゴールまでの導き方が食い違っていたり、

様々なことで衝突したりした。

 

日本参加青年は相手の考えを酌み取ったり、

じっくり考えてから口にしたりして、皆が同意できるような

一つの答えを導いていく傾向があった。

 

 

 

だが、外国参加青年の場合、時には相手の意見を真っ向から批判してでも積極的に主張し、

素早い決断力で話合いをどんどん進めていくのであった。 

 

お互いの話合いへの姿勢や意見の違いに戸惑い、納得のいかないまま議論を終了させたり、

何度も意見を衝突させたりすることがあった。

 

しかし回を重ねるごとに、相手の意見に耳を傾けることや、

自分の意見や想いをしっかり伝えながらも相手の立場に立って歩み寄ろうとする姿勢が

見られるようになった。



両者の間に折り合いをつけて譲歩することが必然的に求められ、

それが最善の解決策だとお互いに気づいたのだ。



最終的にどこの国の人であろうと、どんな意見を持っていようと、

それは関係のないことで、人と人が分かり合おうとする時に

"Compromisespirit"が大切であるということを学ぶことができた。 



その後プログラムでの経験をいかして、身近な多文化共生社会を実現するべく私が在籍する大学で国際交流支援団体を立ち上げ、

在住する大田区では、区を挙げての国際交流プログラムの運営にも積極的に参加した。 



第21回「世界青年の船」事業(SWY21)の参加青年がプログラムを終えて、

皆が声を揃えて“We are SWY family”と言うようになった。

 

 

世界中の人々が、国境や人種、言語、宗教の違いを越えて、皆が家族のように相手を大切に思えたら、

世界はもっと優しい場所になるのではないかと思う。